ep2 初デート






偶然なのか 運命なのか

俺たちは 付き合う事になった

俺は彼女を見ているだけでも 幸せなので

付き合うなんて 考えもしなかった

でも 付き合い始めると 照れ臭いもので

なかなか二人でいられない

朝 教室で会うと

俺を見て ニコッと笑ってくれる

俺は 顔が真っ赤になるだけだった

俺は男の友達も沢山いたが

結構女の子の友達も沢山いた

あまり気にせず しゃべるので

よくみんなに付き合ってるのかと言われたものだ

授業が終わりトイレに行くとき

廊下で彼女がプクッといつも怒っていた

俺は 謝るだけだった

でも 俺たちを見ていると

付き合っている事は すぐにみんなにバレた

彼女が俺のクラブが休みの日曜日

映画を見に行きたいと言った

俺は 何のためらいも無く 行こうと言った

俺は 嬉しかった 初のデートである

場所は大阪一番の街 梅田に決まった

俺は 映画と言えばジャッキーチェンだ

見る映画は 彼女が決めた 俺が逆らえる訳が無い

映画は「タッチ 背番号の無いエース」






当事 タッチは大ブレイクしていて

乙女の心を ガッチリ掴んでいた

俺は 何の映画でも良かった

彼女の顔を見れるだけで 幸せだった

俺は映画など見ずに 彼女だけを見ていた

その時 彼女が俺の手を握って来た

告白の時も そうだったが

女の子の方が積極的だ 俺には出来ない

映画も終わり 彼女は感動して 少し泣いていた

俺はお昼を食べに行こうと 彼女を誘った

映画館を出て 近くの喫茶店に二人で入った

俺は おなかが空いていた

迷わずカツカレーだ






彼女は 何を頼むかと思ったが

ごはんじゃ無く パフェを注文した

俺は おなか空いて無いの?と聞いたが

彼女は あまり空いて無いと言った

俺は そんなものかなと思っていた

彼女は俺が食べるのをニコニコして見ていた

だいぶ後になって あの時の事を聞くと

本当はおなかペコペコだったらしい

俺の前で 食べるのが恥ずかしかったらしい

その後 俺たちは梅田の街を楽しんだ

空も暗くなりかけた頃 俺は彼女を家まで送った

あまり遅くなると 彼女のお父さんに怒られるので

(俺が電話しても ほとんどガチャ切りされる)

名残惜しいが 仕方が無い

彼女は いつまでも手を振ってくれていた

本当に 女神の様に澄んだ綺麗な瞳で

俺に笑顔をくれた

俺は 生きてて良かったと本当に思った

こうして 初デートは無事に終わった

俺はまた 彼女の事がもっと好きになっていた


ep3に続く




読んで下さり ありがとうございました




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ep1 ある夏の出会い





中学二年の夏 髪の綺麗な転校生がやって来た

彼女はいつも笑顔の素敵な女性だった

彼女はやたら字がうまく

成績も俺よりはるかに良かった

そんな彼女を男どもがほっとく訳も無く
毎日の様に告白しては撃沈していた

いつのまにか みんなの憧れの的

当事 俺は柔道部で体育委員だった

朝練で先輩にしごかれ いつもフラフラだった

本当に遠くから見ても すぐ判るほど

なんか光っていた 俺はいつも彼女を見ていた

窓側の一番後ろの席で授業なんか聞かず

ずっと彼女を見ていた とにかく髪が綺麗

(シャンプーの宣伝に出れるくらいに)




目が合うと 俺は緊張して真っ赤になっていた

俺は彼女を見ているだけでいい そう思っていた 嫌な学校が楽しみになった

そんな彼女は 沢山の告白を断り

誰とも付き合う事は無かった

俺は不思議だった

いったい誰が好きなんだろう?

まぁ 俺には関係無いわな そう思っていた

そして とんでもない展開が俺を待っていた

1学期の期末テストも終わり もうすぐ夏休みだ

しかし 成績についての3者懇談がある

親を学校に呼んでの懇談だ

ろくな事は言われない

まぁ仕方ない 成績が悪いからな

そして 俺の日が来た

懇談のある週は昼までだ

俺はクラブで先輩に寝技で可愛いがられていた

夏場の汗だくの男の匂いは強烈だ

たぶん どんな芳香剤も効かないだろう

今日 懇談がある事は

キャプテンに事前に言っていた

俺は先輩に嘘の時間を言い 寝技地獄から逃れた

一時間前に教室に行った

たまには クラブをサボってもいいだろう

教室を見ると あの彼女がお母さんと懇談している

しゃべれないけど 少しラッキー!

そう 思った

俺の番は一番最後だ

うちのおかんは

家の近くの電気部品の工場でパートしていた

仕事の都合で 先生に最後にしてもらった

俺の教室は3階の運動場側の一番奥だ

彼女を見ていたいが お母さんがいてはるので

やむを得ない

俺は教室の隣の外部階段に出て

運動場を眺めていた

俺の学校は 強いクラブが多い

みんな 汗だくで練習している

その時は なぜかさわやかな風が吹いていた

俺は 何も考えず 運動場を見ていた

そして 運命の時が訪れる

階段の扉が開いた

彼女だ 俺がいる事を知っていたらしい

彼女は言った

彼女 谷口君(俺)は 最後なんだ

まだ お母さん 来てないの?

俺は緊張していた

心臓が口から飛び出る様な気持ちだ

俺 うん まだ来てない

本山(彼女)は 帰れへんのか?

彼女 うん まだ学校にいる

俺はそれだけで 幸せだった

その時も なぜかさわやかな風が吹いていた

その後 彼女がとんでも無い事を口にする

彼女 谷口君は好きな子 いないの?

俺は 頭が真っ白になった 何と答えよう?

俺 いるよ(あなたですよとは口が裂けても言えない)

俺は試しに彼女に聞いた

本山は いないのか?

彼女 いるよ 私の目の前に

俺は 訳がわからない

全く 予想してない答えだから

俺は 勇気を振り絞り 本当の事を言おうと決めた

俺は言った 初めて見た時から本山が好きだった そう答えた

彼女は言った ありがとう

ずっと谷口君が告白してくれるのを 待っていたんだよ

俺は 思った そんな事があるのか?

彼女は 俺の事を避けている様に思えた

俺のどこに 魅力があるのか?

色んな事を考えた

彼女は言った 私と付き合ってくれる?

俺は思った 俺が1時間早く来ていなかったら

どうなったんだろう? 不思議な気持ちだった

こんな偶然があるのか?

たぶん ここで会う運命だったのだろう




俺は 風で髪がなびく彼女を見ていた

うん ありがとう 俺はそう答えた

そして うちのおかんがやって来た

俺の懇談が始まった

夕暮れ時の空

懇談が終わる頃 少し空が暗くなっていた

彼女は教室の前で 俺を待っていた

色んな話をしながら 一緒に帰った

俺たちは 付き合う事になったのだ


ep2に続く



読んで下さり ありがとうございました



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